去る4/26、日本ファシリテーション協会 東京支部の4月定例会に参加してきました。このところ奥さんの出産等があって、定例会への参加は久しぶりです。

今回のテーマは『ファシリテーターの脳トレ! ~バラバラの脳神経細胞を繋ぐ~』と題して、今はやりの地頭力を鍛える系の論理推定問題を題材にしたグループシンクの進め方についてのワークショップでした。

最初に算数や発想系のテストを実施したのですが、この点数をベースにチーム分けをしました。点数によってABCのランク付けをし、それぞれのランクのメンバーが均等に配分されるようにチームを作ったわけです。これにはちゃんとした理由があって、チーム内で議論する際にリアルの世界に少しでも近づけるため、”すごくできる人”や”あんまり出来ない人”が混在することで、議論の進め方にどのように影響するのかを体験するためだそうです。運営会の方々も工夫をされていますね。

また別の論理推定系の問題を個人で解いて、その結果をチームで議論してチームとしての解答を導き出すというお題でワークが進められました。

私が所属したチームでは安易な多数決での決定にならないようにするため、少数意見から論じるというアプローチをとりました。少数意見の方が多数派を論破できるだけの論理的説明ができればひっくり返るし、もちろんそのままという場合もあります。さすがにFAJ会員のみなさんはみんなファシリタティブな方々なので、議論自体は非常にスムーズに進んでいきました。

結果はどうなったかというと、チーム内で一番点数が良かった個人の成績よりもチームとして議論して導き出された結果の方が点数が低いという結果となってしまいました。つまり、点数が良かった人がチームの論理に引っ張られてしまった訳です。チームメンバーの感想はといえば、「議論によって納得出来る結果だったので良かった」というのが大多数でした。

こういった現象を集団順応思考と呼ぶのだそうです。
アーヴィング・ジャニスは集団順応思考の兆候を以下のように指摘しています。

  • 議論を論破できない(「言っても無駄」)という感覚が広まること
  • 脅威や問題を軽く見て対処する、もしくは理屈づけること
  • 対抗者を無能もしくは弱者として扱うこと
  • 集団の行動に疑問を投げかけるメンバーに圧力をかけること
  • 集団の合意決定事項からの逸脱を自ら押さえ込もうとする意識が働くこと
  • 沈黙イコール合意という風潮が広まること
  • 相対する情報を選択し排除すること
『ビッグ・チェンジ』東洋経済新報社より

今回の気づきとして、”ベストなアウトプット≠チームの納得”となる場合があるということです。今回のようなワークショップ内であればアウトプットよりチームの納得が優先されても良いかもしれませんが、これがビジネスの場面ではどうでしょうか?常にベストなアウトプットを求められるのがビジネスの場面です。ビジネスの場面でファシリテーターとして望む場合、いかにしてベストなアウトプットに導くことが出来るかは課題ですよね。

それにしても毎回定例会に参加するたびに思いますが、FAJの会員のみなさんは本当にパワーありますよね。人見知りが激しい私はいつもタジタジです。。今回はいつもよりがんばってコミュニケーションしてきたつもりですが、まだまだがんばんないとついて行くのがやっとって感じですよ。。。

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